以下は会報(NO.8)の一部を再編集したものです。
| ペンリレー ヨーロッパアルプス16日間の山旅 モーツアルト縁の地や 世界文化遺産・氷河などを訪ねる 林 伯雄 |
| 「チロル山の会」300回山行記念 私が所属しているチロル山の会では、300回記念山行として会の名にちなんでオーストリア・チロル地方のトレッキングを計画した。 40年前、映画「サウンド・オブ・ミュージック」を見た時、ナチスドイツから逃れてトラップ大佐一家が国境を越える場面。そこに映し出された素晴らしい光景はいまも記憶によみがえる。映画のロケ地が世界遺産になっているザルツブルグと自然美が豊かなザルツカンマーグートが今回の山旅に入っているので期待感が膨らんだ。 そして11日間は雄大なアルプスを見ながらの山歩きであることも魅力であった。 ヨーロッパアルプスは地中海から一気に高度を上げ、イタリア・スイスを経てフランスの最高峰モンブランに達し、オーストリアに入って向きを東に変え次第に高度を下げウイーンの森までの全長1200Kmの大山脈である。今回は、冬季五輪開催地のインスブルックからモーツアルト生誕の地ザルツブルグまでの山岳地帯をヒュッテと麓のホテルに泊まりながら4つの州を移動する行程であった。 温暖化で氷河の今後を懸念 シュトバイタールはチロル地方で一番美しい谷といわれている。アイスグラード山頂駅(2900m)までゴンドラで行き、山頂(3100m)まで氷河上を歩くコースがある。そこにはゲレンデが広がり氷河スキー用のロープリフトがつながっていた。 ヒンターゼックスでは大きな圧雪車が氷河をならし、そこを小さな子供が大人顔負けのスタイルで自在に滑っていた。ヨーロッパの選手がアルペンスキーに強いのはこの様な環境の中で一流の選手が育ってゆくのだと思った。 フランツ・ヨーゼウス・へーエ展望台からオーストリア最大のパステルツェ氷河へ下りたが氷河の末端部は荒々しい姿をしており、安全柵の中は「自己責任」と表示されていた。そして、氷河の上に聳え立つ同国の最高峰グロースグロックナー(3798m)の姿に感動した。 氷河は大小のクレパスが幾重にも連なっており大きなクレパスを覗くとエメラルドグリーン色で神秘的であり、不気味さも兼ね備えていた。しかし、地球温暖化がどんどん進み「全体が80m近く水没している」と年代毎に記されている標識があった。このまま行くといずれ地球上から氷河が消え、この様な素晴らしい景観が無くなるのではないかと懸念した。 牧歌的光景に見とれる 同国の8か所の世界遺産のうちの二つをまわった。一つ目はハルスシュタット。世界で一番美しい湖畔の町と言われるだけあって、湖岸に映る山肌の教会の姿は絵葉書で見るより神秘的であった。 二つ目はモーツアルト生誕の地ザルツブルグ。旧市内の高台に聳える「ホーエンザルツブルグ城塞」から眺める街並みは、大聖堂・大司教宮殿など当時の華やかさがうかがえ素晴らしい情景であった。 世界遺産ではないが車窓からの光景も素晴らしいものであった。チロル地方の光景は、全てが牧歌的で牧場内には牛や羊の群れ、そして全ての家のベランダに花が飾られていた。アニメ映画「アルプスの少女ハイジ」になった様な気持ちで移り変わる光景を眺めていた。 |
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