以下は会報(NO.6)の一部を再編集したものです。

 ペンリレー         

豊かな自然観察に必携
      カメラやルーペ・双眼鏡
           
中川 恭助
〈 さまざまな生き物の目 〉
 イヌワシやクマタカ、身近に見るトビなど高い空から狩りをする鳥は、遠くがよく見える目を持っています。昆虫や魚などの目は、極端に広い範囲が見渡せるようです。また、嗅覚や聴覚が発達している一方で視力がおちるものや、色の識別が弱いもの、コウモリのように超音波を発し、その反射を脳のなかで映像に置き換えるもの、チョウのように紫外線を感ずるものなど、生き物の目は、さまざまであるといわれています。
 しかし、私たち人間は、その能カ以上のことを機械的に解決してきたように思います。月の表面を観察するとか、微生物や細菌の活動を知ることも可能です。光学的でなくても、電気や放射線を利用した望遠鏡や顕微鏡の利用までもできるようになっています。自然のなかで、より豊かな自然観察をするためにもこれら光学の恩恵を活用していきたいものです。
 先日、子供たちとの春の森林観察会に同行しました。その時は土壌の中の生き物を観察しました。雑木林の土を採取し、その場所で準備された携帯フィールド用顕微鏡を使って動きまわる生き物を見るのです。このことで子どもたちの自然観察への集中性を高め、即断性が加わることで一層楽しいものになりました。
 遠くのものを観察するには双眼鏡を利用した方がよいでしょう。7倍前後で30ミリくらいの口径(8×30)が使いやすく、20ミリ以下の口径では、視野が狭くて暗いものが多いように思います。樹木によっては高いところにしか花や実が付かず、肉眼だけの観察では心もとないこともあります。歩いて近づけない湿地や池などの奥の方に、赤、い実を付けた低木を発見したなどの時には、十分に役立ます。また、森林の中を、くまなく歩くのは困難であっても、双眼鏡によって観察の範囲を広げることができます。

 〈 忘れてならないルーぺ 〉
 私のポケットに、いつも入っているものがあります。小さなものを拡大して見ることのできるルーべです。忘れてはならない自然観察の必携道具だと思っています。
 花の蜜や香りに、引きよせられた昆虫の花弁での動き、樹皮の模様、木の葉の表面、冬芽の形など、これらを拡大して見ることで、人問のスケールとは別の次元に出会った驚きに、わくわくします。そのことで、人聞は非常に狭い世界観しか持っていないのだと、気づかされることでもあります。小さな虫たちも、巨大に見えれば立派な怪獣であったりします。
 双眼鏡に比べれぱ、かなり性能の良いものを選んでも、高価でないと思います。子どもの頃、太陽の光を集めて黒い紙を焼いた虫眼鏡より、折り畳み式で複数のレンズからなる、高解像で4〜6倍ぐらいのものが使いやすいでしょう。このような光学道具の力を借りて、見るものの範囲を広げていきたいものです。見慣れたはずの自然から、少しでも新たな世界を発見できたらと思います。そして、もっと身近なところに、私たちの学ぶべき発見があるのではないでしょうか。
〈 カメラや双眼鏡も 〉
 カメラは、近年レンズの種類も増え、手に入れやすい価格になっています。しかし、ふだん持ち歩くには、高倍率のものは重く、活動には不向きです。観察や記録性にすぐれているデジカメが急遠に普及しつつあります。しかし、私は35ミリ一眼レフカメラ105ミリのマクロレンズを多用しています。接写により手近に昆虫や草花を部分的に拡大する事で、新たな感動と親しみを感じています。